結婚式で目にする「三方」：その意味と使い方

結婚式で目にする「三方」：その意味と使い方

三方とは

「三方」とは、日本の伝統的な神前結婚式で神様へのお供え物を奉納するために使用される台のことです。一般的には、四角い形状をしており、主に檜などの清浄な木材が使用されます。お供え物を直接載せる部分は「折敷（おしき）」と呼ばれ、その下に「胴」と呼ばれる直方体の台が組み合わさって安定した構造を成しています。

三方にはその名の由来となる特徴的な構造があり、台の三方向に穴が開いています。この穴には単なる装飾以上の神聖な意味があり、神様と人間の世界、そして先祖の spirits を繋ぐ役割を担っているとされています。

神前結婚式では、この三方に縁起物である酒や水、魚、野菜、海藻などを美しく盛り付けてお供えします。そして、神様への感謝の気持ちと夫婦としての誓いを込めて、二人の新たな門出を祝う儀式が行われます。

このように、三方は神前結婚式において欠かせない重要な役割を果たし、日本の伝統文化を象徴する道具の一つと言えるでしょう。

三方の使い方

– 三方の使い方

神様へのお供え物を載せるための台である三方は、その扱い方に古くからの決まり事があります。

まず、三方を置く際には、合わせ目に注意が必要です。三方の台部分には板と板を繋ぐ跡があり、この合わせ目を神様に向けるのは失礼にあたります。必ず合わせ目を自分の方に向けて置きましょう。逆に、穴の開いていない滑らかな面を神様の方に向けるのが正しい置き方です。

次に、三方の持ち方にも作法があります。三方は両手で丁寧に持つのが基本です。両手の親指を三方の縁に添え、残りの指は折敷と台の間にあてて支えるように持ちます。そして、視線と同じ高さに保ちながら運ぶことが重要です。

これらの作法は、神様への敬意を表すためのものとされています。一つ一つの動作に心を込めて丁寧に扱いましょう。

結婚式における三方の役割

– 結婚式における三方の役割

日本の伝統的な神前結婚式において、三方は神聖な儀式の中心として位置付けられています。儀式の中で重要な役割を果たす三方は、神様への感謝と敬意を表すために、お供え物を載せる神具として大切に扱われます。

三方に載せるお供え物は、神様へのお供え物として適したものが選ばれます。一般的には、米、酒、塩、水などが含まれ、それぞれ特別な意味を持っています。米は豊穣を、酒は夫婦円満を、塩は清浄を、水は命の源を象徴します。このように、三方に載せるお供え物一つ一つには、神様との繋がりを象徴し、結婚式が円滑に進行するよう、また二人の未来が永遠の幸福に満ちるようにとの願いが込められています。

結婚式において、三方は単なる道具ではなく、神様と人を繋ぐ大切な役割を担っています。三方に込められた深い意味とその存在の重さを理解することで、私たちは日本の伝統文化への理解を深めることができるでしょう。

三方に込められた想い

三方とは、神饌などを乗せるための台であり、その三つの脚はそれぞれ天・地・人を表しています。これは、人と神様を結ぶための重要な役割を担うことを示しており、結婚式などの人生の節目に使用されてきました。

古来より、日本人は目に見えない力や自然に対する畏敬の念を抱き、生活の中に神道を取り入れてきました。結婚式においても、三方に神饌をお供えすることで、新しい夫婦の門出を祝い、二人の未来が永遠の幸せに満ちるようにとの願いが込められています。

三方は単なる台ではなく、日本の伝統的な儀式において神様と人との間を繋ぐ重要な役割を果たしています。その形や使い方には、古くから受け継がれてきた、目に見えない力や心の在り方が込められていると言えるでしょう。