結婚の儀式：結納品の基本、9品目の意味とは？

結婚の儀式：結納品の基本、9品目の意味とは？

結納の品々

結婚が決まると、両家の結びつきをより一層強めるため、古くから日本に伝わる「結納」という儀式を行うことがあります。この結納は、単なる婚約の報告ではなく、両家が公の場で婚約を認め合い、結婚の約束を固く誓い合う大切な儀式です。

この儀式では、婚約の証として、男性側から女性側へ、あるいは地域によっては女性側から男性側へ、それぞれ特別な贈り物を贈り合います。これらの贈り物を「結納品」と呼び、日本の伝統文化において重要な意味を持つものとして、古くから大切に受け継がれてきました。

結納品には、それぞれ深い意味が込められています。例えば、「目録」は贈る品々の一覧表であり、「長熨斗」は末永く幸せにとの願いが込められています。また、「金宝糖」は、金や銀などの縁起物を、「友白髪」は夫婦共に白髪が生えるまで仲睦まじく過ごすようにとの願いを表しています。

現代では、結納の形式も簡略化されつつありますが、それでもなお、結納品に込められた伝統的な価値観や、両家の絆を大切にする心は、現代の結婚式にも受け継がれています。

９品目の意味

– ９品目の意味

結納品の数や種類は地域や習慣によって異なりますが、一般的に正式な結納式では９品目が用いられます。これは、９という数字が「割り切れない数字」であることから、「夫婦が永遠に結びついて、幸せな結婚生活を送れますように」という願いが込められているからです。

日本では古くから、奇数は縁起が良い数とされてきました。特に９は一桁の奇数の中で最も大きな数字であることから、「一層強い意味合い」を持つと考えられています。９という数字は、「苦」を連想させることから縁起が悪いと考える人もいるかもしれません。しかし、「苦」を乗り越えて幸せをつかむ、「苦」を「九」に変えて幸せにといったように、前向きな意味合いに解釈されることも少なくありません。

結納品として９品目が選ばれた背景には、このような数字に対する日本独自の文化や考え方が色濃く反映されています。そして、その根底には、新しい門出を迎える二人を祝福し、末永い幸せを願う、という温かい気持ちが込められているのです。

地域の慣習と品数

結婚の儀式の一つである結納は、地域によって様々な習慣が存在します。特に、正式な結納における品物の数は、地域によって異なることが多く見られます。一般的には、9品目が正式な結納品の品数とされています。これは、奇数が縁起の良い数とされているためです。

しかし、地域によっては、9品目ではなく、11品目や15品目など、異なる数の品物を贈る習慣も根付いています。これらの地域でも、やはり奇数の品物が選ばれます。

一方で、近年では、時代の変化とともに、儀式を簡略化し、結納自体を簡素に行うケースも増えています。このような場合には、7品目、5品目、3品目など、やはり奇数の品物が選ばれることが一般的です。

このように、結納の品数は、地域や時代の流れによって変化するものです。しかし、その根底には、奇数を縁起の良い数とする日本の伝統的な価値観が息づいていると言えるでしょう。

品物の意味

– 品物の意味

結婚の儀式である結納には、様々な品々が贈られます。これは単なる贈り物ではなく、夫婦の未来に対する願いが込められた、伝統的な贈答の形式です。

例えば、結納品としてよく選ばれる鯛は、「めでたい」という語呂合わせから、慶び事や幸運を象徴する縁起物とされています。

また、昆布は「子生」と書き、「たくさんの子供が生まれるように」という願いを込めて贈られます。このように、子孫繁栄の象徴として、古くから大切にされてきました。

その他にも、円満な夫婦生活を願う「円」の形をした鏡餅や、永遠の愛を誓う意味を持つ指輪など、それぞれの品物に深い意味が込められています。

結納品の一つ一つには、夫婦の幸せや繁栄を願う気持ち、そして二人の未来に対する心からの祝福が込められているのです。

現代の結納

結婚が決まると、両家の結びつきを祝い、これからの新しい関係を築く第一歩として「結納」の儀式を検討するカップルも多いでしょう。かつては、家と家とのつながりを大切にする儀式として、格式張ったしきたりに則って行われるのが一般的でした。
しかし、近年では、結納の形式も多様化しています。
格式高い料亭やホテルの一室を借りて、仲人を立てて伝統的な形式で行う場合もあれば、両家の親族だけでレストランで食事会を開き、親睦を深める場としてカジュアルに行う場合もあります。
また、結納自体を行わず、両家の顔合わせの食事会のみを行うケースも増えています。
このように、現代の結納は、それぞれの家庭の考え方や状況、そして結婚する二人の希望に合わせて、柔軟に行われるようになっています。
大切なことは、形式にとらわれすぎることなく、両家の親睦を深め、これから始まる新しい家族の絆を育む第一歩となるような、温かい場を設けることと言えるでしょう。